多汗症の悩み

人知れず悩みを抱えている方も多い多汗症。多汗症は手掌や脇、足、顔、頭部などから汗が止まらないという症状が出てしまうもので、そのせいで、人に会うのが苦手だったり、コミュニケーションがうまく取れないなどの弊害も出てしまう人が多いようです。

 

多汗症の原因として、以前は精神的なものが挙げられていました。緊張しやすい人や人見知りする人など、度を超すと汗をかいてしまうというものです。しかし、最近は、それよりも交感神経の異常が理由なのではないかという意見のほうが多くなっています。

 

手、足の多汗症の場合は、軽度であれば人に気づかれにくいのですが、頭部の多汗症は気づかれやすく、心の悩みにつながってしまうことも多いようです。手の多汗症の場合は、握手した時などに人に指摘され、判明するということも多いようです。いずれにしろ、精神的な悩みになることが多いので、治療したいという人も多いようです。

多汗症の治療

どの部位で多汗症になっているかにより、治療法は異なるのですが、一般的に、多汗症の治療には、精神的なもの、薬を用いたもの、手術で治療する方法などがあります。

 

多汗症の原因として考えられているのは交感神経の異常です。精神的な治療は、この交感神経の異常を正常な状態に戻そうというものです。薬を用いたものは薬の効果で交感神経の異常を元に戻し、手術は異常のある交感神経を切断してしまうという方法になっています。

 

手術して交感神経を切断する方法は、ETSと呼ばれる方法で、手足の多汗症の場合にとられる治療法です。しかし、手術した場所の多汗症は治まるものの、別の場所で多汗症になってしまう代償性発汗の副作用もあり、専門医としっかりと相談する必要があります。

 

欧米ではイオントフォレーシスという方法で手足の多汗症を治療するようです。イオントフォレーシスは、患部を水に漬け弱い電流を流すことで、汗腺の働きを抑制することで多汗症を治療する方法です。抜本的な方法ではなく、継続していく必要のある治療法なのだそうです。

ボトックス注射による多汗症治療

手足や脇の多汗症として主流になりつつある方法はボトックス注射による方法です。多汗症は交感神経の異常が原因です。交感神経の異常により、アセチルコリンとういう物質が大量に発生することにより、多くの汗をかいてしまうのです。

 

ボトックス注射を打つことにより、アセチルコリンの分泌を抑え、多汗症を抑制します。個人差はあるようですが、一度ボトックス注射を打つと、半年から1年くらいは効果が続くようです。注射だけで多汗症を抑制できるので、こうした方法で多汗症を抑えている人も多いようです。